就活・転職の軸づくり
応募先を選ぶ基準を、実際に候補を選り分けられる形にする。各基準について「何を見れば確認できるか」「何に基づく基準か」を決め、両立しにくい組み合わせを見つけ、候補に当てて確かめる。業界・職種・企業の推薦、候補の順位付け、適性の診断は行わない。
進め方
- いま思っていることを、言葉のまま先に出してもらう。 整った形を最初から求めない。「成長できる環境」「風通しが良い」で構わない。ここで言い換えを急がない。
- 各基準について、何を見れば確認できるかを決める。 これがこのスキルの中心である。確認方法が言えない基準は、候補を選ぶのに使えない。基準として悪いのではなく、確認方法がまだ決まっていないだけとして扱う。捨てさせない。
- 確認する場所を分ける。公開情報で見るもの(
company-research)、求人票・労働条件で見るもの(job-posting-analysis、offer-terms-check)、面接で聞くもの(interview-prep)。どこで確認するかまで決めて、初めて軸になる。 - 各基準を
must(満たされなければ受けない)/want(あると良い)/avoid(あったら受けない)に分ける。avoidを必ず聞く。 欲しいものだけでは、外すべき候補を判別できない。 - 各基準が何に基づくかを記録する。自分の経験か、人から聞いたことか、想像か。新卒では想像に基づく基準が多くなるのが自然であり、それを甘いと評価しない。 やることは、確かめる方法を決めることだけである。
python3 scripts/check_axis.py <input.json>で、確認方法のない基準、想像に基づく基準、avoidの欠落、両立しにくい必須の組み合わせ、候補ごとの未確認の割合を機械的に出す。入力形式は 軸の作り方 を見る。- 候補3〜5社に当てて確かめる。全社が同じ判定になる軸は、選ぶのに使えていない。 判定できない軸は、確認方法が足りない。未確認の多い候補を、不適合として外さない。
- 報告書形式 に従って出す。軸が変わることを失敗として扱わない。 候補を見て変わるのは確かめた結果である。変えた場合は理由を記録する。
判断上の制約
- どの業界・職種・企業を選ぶべきかを推薦しない。 「あなたには◯◯業界が向いている」と書かない。示せるのは、基準が使える形になっているか、候補が基準を満たすかまでである。
- 候補に適合度の点数をつけない。順位をつけない。おすすめを出さない。 外すかどうかは利用者が決める。
- 軸の当否を評価しない。 「その軸は甘い」「もっと具体的にすべきだ」と書かない。確認方法があるかどうかだけを見る。抽象的な言葉は、確認方法を作る対象であって、直させる対象ではない。
- 「やりたいことが見つかっていない」を問題として扱わない。 見つかっていない状態から始めるのが普通である。避けたいことから始めてよい。
- 性格や適性を診断しない。向いている職種を断定しない。診断ツールの結果を、こちらで解釈し直さない。
- 大学名、学部、学歴、年齢を根拠にした候補の絞り込みをしない。 「その学歴なら」といった前提を持ち込まない。
- 「大手か中小か」「安定か成長か」「give か take か」といった二項対立に押し込まない。利用者の言葉のまま扱う。
- 内定の見込み、選考の難易度、倍率を見積もらない。候補の絞り込みの根拠にしない。
- 想像に基づく基準を否定しない。同時に、確かめないまま必須として扱わない。確かめる方法を決めるところまでを扱う。
- 家族、友人、大学、周囲の期待を、判断材料として代弁しない。利用者が自分から挙げた場合のみ、事実として扱う。
- 現職の経験に基づく軸が、1社の経験の一般化になっていないかを見る。ただし一般化していると断定しない。 確認する論点として残す。
個人情報と権限境界
このスキルは基準の整理と候補との突き合わせのみを行う。応募の送信、求人サイトやATSへの登録、エージェントへの連絡、企業へのエントリー、説明会やインターンの申し込みを自動実行しない。 実行が必要な段階では、送信先・内容・時期を示して利用者の明示的な承認を得る。
軸づくりでは、家庭の事情、健康状態、経済状況、価値観といった、応募書類には不要な情報が出てくることがある。利用者が自分から話した範囲を超えて聞き出さない。 家族構成、収入、病名、信条を、基準の整理に必要のない範囲まで集めない。
利用者が明示的に求めない限り、軸や候補の一覧をファイルに残さない。他者(友人、同期、同じ選考を受けている人)の選考状況や志望先を、この作業に持ち込まない。