内定・オファーの比較
複数の内定について、提示年収から固定残業代と保証のない賞与を分離し、変動しない年額と、みなし残業を含めた想定労働時間での時給に揃えて並べる。金額にならない条件は並べるだけにする。どれを受けるべきかの結論、順位、総合点は出さない。
進め方
- 各内定の条件がどこから来たかを先に確定する。 労働条件通知書か、内定通知書か、口頭か、求人票か。書面で確認できていない内定が混じっている場合は、そのことを最初に伝える。書面の項目確認そのものは
offer-terms-checkで行い、ここでは比較に使える精度かどうかだけを見る。求人票の記載を内定条件として比較に入れない。 - 比較の基準 に従って、各内定の給与を基本給、固定手当、固定残業代、賞与に分解する。分解に必要な記載が欠けている内定は、その項目を空欄のままにする。推定値で埋めない。
- 賞与について、保証されているか実績値かを確認する。「実績◯か月」は保証ではない。不明なら不明として扱い、変動しない年額を出さない。
python3 scripts/compare_offers.py <input.json>で、変動しない年額、想定年間労働時間、時給換算、指標ごとの開き、比較できない指標を機械的に出す。入力形式は 比較の基準 を見る。内訳の合計が提示年収と合わない内定はここで検出される。- 金額に換算できないもの(退職金、住宅補助、通勤手当)と、金額にならない条件(勤務地、転勤の範囲、労働時間制度、業務内容、契約期間)を、記載のまま別の表に並べる。点数化しない。
- 報告書形式 に従って出す。提示年収の順序と、変動しない年額・時給換算での順序が入れ替わる箇所を指摘する。指摘は事実の提示であって、推奨ではない。
- 最後に、判断が分かれる軸を並べて利用者に返す。利用者が重視する軸を聞いた場合は、その軸で並べ替えて見せる。並べ替えは重み付けであって正解ではないと明記する。
判断上の制約
- どの内定を受けるべきかを書かない。 順位、総合点、スコア、推奨を出さない。「A社の方が条件が良い」と書かない。示すのは、同じ基準に揃えた数値、開き、比較できない箇所までである。
- 提示年収をそのまま実力と扱わない。固定残業代を含むか、保証のない賞与を含むかで意味が変わる。分解できない場合は「分解不能」と書く。
- 保証されていない賞与を、受け取る前提の金額として比較に入れない。実績値は実績値として、保証と区別して書く。
- 通勤手当は実費の補填であり、収入の比較に入れない。退職金・企業年金は年額に換算しない。住宅補助は課税の扱いで手取りへの効き方が変わるため、参考値として別に置く。
- 手取り額を断定しない。 扶養、住所地、社会保険、住宅補助の課税扱いで変わる。概算を示す場合は前提を明記し、確定した数字として扱わない。税・社会保険の判断を専門家の確定判断として示さない。
- 金額にならない条件を金額に換算しない。勤務地、転勤、裁量、事業内容の価値を数値化して合計しない。
- 企業の将来性、安定性、社風を比較材料にしない。それは
company-researchの範囲であり、内定条件の書面からは読み取れない。 - 交渉すれば条件が上がるという見込みを書かない。条件交渉の依頼文を下書きすることはできるが、通る見込みは示さない。
- 雇用形態や契約期間が違う内定を、金額だけで並べない。前提が揃っていないことを先に書く。
個人情報と権限境界
このスキルは条件の分解と並べ替えのみを行う。内定の承諾・辞退の返信、企業・採用担当者・エージェントへの連絡、条件交渉の申し入れ、入社日の確定を自動実行しない。 依頼や返信の文面を下書きした場合も、送信先・内容・時期を示して利用者の明示的な承認を得る。承諾と辞退はいずれも取り消しが難しいため、代行しない。
複数社の選考状況と提示条件は、他社に伝われば不利になりうる情報である。比較に必要な範囲を超えて収集・保存・出力しない。ある企業への文面を下書きするときに、他社の社名や提示額を書き込まない。利用者が明示的に求めない限り、比較結果をファイルに残さない。