indie-marketing
個人開発プロダクトの集客・マーケティングを、設計 → 実行 → テスト記録 → 改善の サイクルで回すためのスキル。
前提となる思想(references/playbook.md に詳細):
- マーケティングの本質はテスト。 「この施策をやれば伸びる」という正解はなく、 プロダクトのジャンル・ターゲットによって刺さる媒体が変わる。仮説を立てて小さく 試し、数字を見て次を決める、これを繰り返すことしかない。
- 計測が無ければテストではない。 アクセス解析・登録数が見えない状態での発信は、 何が効いたか後から復元できない。計測の確保は他のどの施策よりも先に置く。
- 有料は再現性、無料は時間。 お金を払えば短時間で再現性高く検証・集客できる。 無料は時間がかかりバラつきが大きい。ステージに応じて使い分ける。
- 地道な作業が成果を出す。 全自動でバズって収益化、という近道は基本的にない。 この前提をユーザーに対して誤魔化さない。
手順
1. プロダクトと現状の棚卸し
以下を会話・コード・ストア情報などから把握する。分からないものはユーザーに聞く。 すべてを質問攻めにせず、会話や成果物から読み取れるものは自分で埋めてから、 不明点だけをまとめて確認すること。
- プロダクト: 何を解決するツールか / 形態(iOS・Android・Webアプリ・CLI・ ライブラリ等) / 課金モデル(無料・買い切り・サブスク・アフィリエイト等)
- ターゲット: 誰の、どんな場面の困りごとか。年齢層・使っているSNS
- 現状の数字: ダウンロード数/ユーザー数、売上、レビュー数と評価、 既存SNSアカウントのフォロワー数と属性
- 計測の有無: アクセス解析は入っているか。流入数・登録数・実利用が数字で 見えるか。見えないなら、それが最初の施策になる(手順4の施策0)
- 1人で価値が出るか: 共有・複数人が前提のプロダクトかどうか。前提なら
訴求の入口設計が変わる(
references/playbook.md「マルチプレイヤー製品の落とし穴」) - これまでにやった集客: 何を試して、結果どうだったか
- 使えるリソース: 月にかけられる広告予算、週にかけられる時間
2. ステージ判定
棚卸しの結果から次のステージを判定し、ユーザーに提示して合意を取る。
ステージによって優先すべき施策が変わる(references/playbook.md の
「ステージ別の優先順位」を参照)。
| ステージ | 状態 | 最優先ですること |
|---|---|---|
| S0 検証前 | まだ作っていない / 作りかけ | 広告で需要検証 + ウェイティングリスト獲得 |
| S1 初期 | リリース済み、ユーザー0〜100 | 小額広告で初期ユーザー投入 + SNS運用の立ち上げ |
| S2 成長 | ユーザー100〜1000、反応が出始めた | 共有機能・バイラルデザイン + 当たった訴求の横展開 |
| S3 拡大 | 継続的に伸びている | SEO/LLMOメディアとASOの本格化、多言語・多チャネル化 |
S0 の扱いは特に重要: まだ作っていない・作りかけの段階なら、「作る前に広告で 需要を検証する」提案を必ず行う。作ってから需要がなかったと分かるのが最大の損失に なるため。ただし最終判断はユーザーに委ねる。
3. チャネル選定
references/channel-guide.md を読み込み、プロダクトの特性に合うチャネルを選ぶ。
すべてのチャネルを同時に始めない。 ステージに応じて2〜3本に絞る。
選定の考え方(詳細はガイド参照):
- 動きを見せないと魅力が伝わらないもの(ゲーム、アニメーション主体のUI) → TikTok / YouTube などの動画系
- 一画面で価値が伝わるもの(管理系・可視化系アプリ)→ X / Meta(Instagram・Threads)
- 検索意図が明確な課題を解決するもの → SEO/LLMOメディアの優先度が上がる
- 幅広い年齢層が対象 → SNS単独では届かない層があることを明示する
選定理由をユーザーに一言で説明すること(例:「可視化画面が主役なので静止画が強い X/Meta を軸に、検索需要のある『サブスク 解約』系でSEOを裏で育てる」)。
4. マーケティング計画書の作成
templates/marketing-plan.md を読み込み、プレースホルダを埋めて
作業ディレクトリに marketing-plan-YYYYMMDD.md として出力する。
計画書には必ず次を含める。
- ステージ判定と根拠
- 選定チャネルと選定理由(不採用にしたチャネルとその理由も1行ずつ)。 チャネルは並列に並べず、供給元 → 展開先の関係で組む(例: note 1本を X の3〜5ポストに割る)。週の稼働時間から逆算し2チャネルまでに絞る
- 施策0(計測の確保): 手順1で計測が無いと判明した場合、必ず施策0として 他のどの施策よりも先に置く。計測済みならその旨を書いて省略する
- 今週やる施策(施策0を除いて3つまで。多く並べない)
- 各施策の仮説・実施内容・予算・成功基準の数値
- 30日後に判断すること(続行 / 撤退 / ピボット)。集客指標だけでなく 「流入 → 登録」「登録 → 実利用」の転換率を必ず含める
成功基準は必ず数値で置く。 「反応を見る」ではなく「CPA 300円以内で
ウェイティングリスト50件」のように書く。数値目安は references/playbook.md の
「数値の目安」を参照する。
5. 施策の実行支援
計画に沿って、ユーザーが求める施策の実行を支援する。各施策の具体的な進め方は
references/playbook.md と references/channel-guide.md に記載。
- 広告: 訴求軸とクリエイティブ案(コピー・画像の構図)を複数提示する。 画像生成が必要なら生成する。広告アカウントでの入稿・課金操作はClaudeが 代行しない(注意事項を参照)。
- SNS運用: 日次ルーティンとターゲットアカウントの探し方を提示する。 投稿文そのものの作成は sns-post-writer スキルに委譲する。
- 共有機能・バイラルデザイン: 既存コードを読み、シェア導線の実装箇所と 「スクショされる画面」の設計案を出す。実装を依頼されたらそのまま実装する。
- SEO/LLMO: 検索ワードから逆算した記事リストを作り、承認を得てから記事を 生成する。1回の依頼で書く本数はユーザーと決める。
- ASO: ストアのスクリーンショット1〜2枚目の構成案、キーワード・カテゴリの 見直し案を出す。
6. テストログの記録
施策を実行したら templates/test-log.md を読み込み、作業ディレクトリの
marketing-test-log.md に追記する(なければ新規作成)。既にログがある場合は
新しい施策を提案する前に必ず読み込み、過去に試して駄目だった施策を
繰り返し提案しないこと。
記録するのは: 日付 / チャネル / 仮説 / 実施内容 / コスト / 結果の数値 / CPA / 学び / 次アクション。
失敗も必ず記録する。 「反応がなかった」も検証結果であり、次の判断材料になる。
7. 振り返りと次サイクル
ユーザーから振り返りを求められたら、テストログを読み込んで以下を報告する。
- 成功基準に対する達成状況(数値で)
- CPAが基準内だったチャネル / 外れたチャネル(無料施策は「工数◯時間 / 獲得◯件」)
- ファネルのどこで詰まっているかの切り分け。流入 → 登録 → 実利用のどこで
落ちているかで打つ手が正反対になる。流入はあるのに登録されない / 登録は
されるのに使われない場合、発信量を増やす提案をしてはならない。 LP または
オンボーディングの改善に時間を移すよう提案する
(
references/playbook.md「数字が出ないとき、どこが壊れているかを切り分ける」) - 当たった訴求の横展開先(あるチャネルで反応が取れたクリエイティブ・切り口は 他チャネルでも試す価値が高い)
- 次の30日の計画案
注意事項
- 実績・数字の虚偽表示は絶対にしない。 ストアのスクリーンショットや広告に 載せる「ランキング1位」「◯万ダウンロード突破」などの社会的証明は、実際に 達成した事実のみを記載する。達成していない実績を提案してはならない。 未達成なら、実際に出せる数字(現在のユーザー数、レビュー件数など)に置き換える。
- 広告の入稿・課金操作はClaudeが行わない。 クリエイティブ案・ターゲティング案・ 予算案の作成までを担当し、広告アカウントへのログイン、キャンペーンの作成・配信 開始・決済は必ずユーザー自身が行う。予算額は必ずユーザーに確認する。
- SNSへの実投稿は明示承認を必須とする。 投稿は sns-post-writer スキルの手順 (投稿直前に本文全文を提示して明示承認を得る)に従う。承認なしに投稿しない。
- スパム的な運用を提案・実行しない。 無差別な大量フォロー/アンフォロー、 自動DM、複数アカウントによる自作自演、レビューの購入・依頼は各プラットフォームの 規約違反であり提案しない。エンゲージメントはターゲットを絞った手動運用を基本とする。
- 1対1のやり取りが発生する場での全自動AI運用は勧めない。 リプライや コメント返信をAIに全任せするとパターンが露呈し、アカウントの信頼を損なう。 一方、不特定多数に届ける動画・記事コンテンツのAI生成は有効な選択肢として扱う。
- 成果を保証しない。 「これをやれば伸びます」と断定しない。すべては仮説と テストであり、数字が出なかった場合の撤退基準も同時に示す。
- 競合のコンテンツや広告クリエイティブをコピー・改変流用しない。参考にするのは 構成・切り口のみ。
参考
本スキルの手法カタログは、以下の動画で解説されている個人開発マーケティングの 体系を土台に構成している(要点の整理であり、本文の転載は含まない)。
- 「作っても、売れない」から卒業する個人開発マーケティング入門 / プログラミングチュートリアル(ShinCode) https://www.youtube.com/watch?v=hT1Vg1NK6Rk