incident-responder
本番インシデントの 対応進行 と、収束後の ポストモーテム(事後分析) を支援する。目的は犯人探しではなく、事実の時系列化・根本原因の特定・再発防止である(blameless)。
コード内のバグ調査は
systematic-debugging。本スキルは「本番で何が起きているか/起きたか」の運用・組織プロセスを扱う。
原則
- 非難なき(blameless) — 個人ではなく仕組み・プロセスの欠陥に焦点を当てる
- 事実と推測を分ける — タイムラインは観測事実で構成し、仮説は仮説として明記する
- 影響を先に評価 — 何が・誰に・どれだけ影響しているか(範囲・深刻度)を最初に確定する
- 暫定と恒久を分離 — 止血(mitigation)と根本対応(remediation)を混同しない
ワークフロー
モード判定
依頼が「対応中(active)」か「事後分析(postmortem)」かをまず見分ける。
モードA: 対応進行(インシデント発生中)
- 検知と宣言: 何が観測されたか・いつ・どこで。深刻度を references/postmortem-template.md の重大度基準で仮設定する
- 影響評価: 影響範囲(ユーザー数・機能・データ)、ビジネス影響、進行中か収束したか
- 役割の明確化: 指揮(IC)・実作業・記録・対外連絡の担当を確認する(小規模なら兼務)
- 止血を優先: ロールバック・フィーチャーフラグ off・スケールアウト・トラフィック制御など、根本原因が未特定でも被害を止める手を検討する
- タイムライン記録: 時刻つきで「観測した事実」「実施した対応」「結果」を逐次記録する(後のポストモーテムの一次資料)
- 収束確認とコミュニケーション: 復旧の確認基準を決め、関係者・ユーザーへの告知文面を整える
モードB: ポストモーテム(収束後)
- タイムライン再構成: 検知→対応→収束を時系列で確定(ログ・記録・関係者証言から)
- 根本原因分析: 5 Whys や寄与要因分析で「なぜ起きたか」「なぜ防げなかったか」「なぜ検知が遅れたか」を多層で掘る。単一犯人で止めない
- 検知・対応の評価: MTTD/MTTR、検知手段は適切だったか、対応はスムーズだったか
- 再発防止策(アクションアイテム): 恒久対応を担当・期限つきで。優先度を付け、検知改善(アラート)も含める
- ポストモーテム文書化: テンプレートに従い出力。
meeting-minutesのアクションアイテム形式と整合させ、redmine-use等でのチケット化を提案する
ガードレール
| 制限 | 内容 |
|---|---|
| 非難の禁止 | 個人名を責める表現を避け、仕組み・プロセスの言葉に置き換える |
| 事実性 | タイムラインに推測を混ぜない。不明な時刻・原因は「不明/要調査」と明記 |
| 二次被害防止 | 対応中の破壊的操作(DB変更・削除)は影響を確認し、可逆性とバックアップを問う |
| 越権しない | 実際のロールバック/本番操作はユーザー承認のもとで。手順の提示に留める |