新規参入カテゴリの下調べを1時間で終える
haldata.net/mcp-dir/ の組み合わせレシピ「新規参入カテゴリの下調べを1時間で終える」の実行版。 流れは 事実で絞る(需要・季節性・価格帯)→ 理由を読む(レビューの不満と強み)→ 行動に落とす(空いている訴求ポジション3つ)。
なぜ4つ重ねるか。検索需要だけでは「大きいが勝てない」市場に入ってしまう。価格帯だけでは「安いが不満だらけ」を見落とす。レビューの不満の集中点は「既存商品が解決できていないこと」=参入する側が名乗れる位置そのもの。4つを1枚に並べて初めて参入順が議論できる。
前提
| 必要なもの | 用途 | 無いとき |
|---|---|---|
| Ahrefs MCP(公式・従量課金) | 月間検索数・上位表示の難易度・検索意図 | 省略可。「需要」列を Trends の相対値だけにする |
| Google Trends MCP(HALDATA 自作。同等のものでよい) | 12か月の相対人気・ピーク月 | 省略可。季節性は Ahrefs の月次推移で代用 |
| Keepa MCP(HALDATA 自作。Keepa API を叩くもの) | Amazon 上位商品の価格・評価・レビュー数・ランキング | 省略可。価格帯は手作業と書く |
| TrendViewer MCP | 観点別の言及数・肯定率・否定率 | 進められない |
所要時間の目安:候補2〜4カテゴリで 20分以内(TrendViewer の分析が既にあるとき。HALDATA の検証は2カテゴリで10.5分)。無ければ分析の新規作成に約2時間。
費用に注意:Ahrefs は返る行ごとにユニットを消費し、Keepa はトークンを消費する。候補は 最大4カテゴリ、Ahrefs は1カテゴリ1〜2語、Keepa の商品名検索は1カテゴリ1回に抑える。ツールの正確な引数と消費量は references/tools.md。
Step 0. 入力を確定する
- 候補カテゴリ名(1〜4個)。各カテゴリに代表的な検索語を1〜2語(例:「猫 自動トイレ」)
- 国(既定:日本
JP/Amazon.co.jp) - 自社の強み(製造・仕入れ・保証・価格など、分かれば)。判断メモの「勝てる位置」に使う
Step 1. 事実で絞る
1-a. 検索需要と難易度(Ahrefs)
候補語をまとめて1回 keywords-explorer-overview(country="jp", keywords はカンマ区切り, select="keyword,volume,difficulty,cpc,traffic_potential,intents,serp_features")。
読み方:volume が需要、difficulty が上位表示の難しさ(0〜100。40以上は記事サイトが強い)、intents.transactional/commercial が買う気の有無、serp_features に shopping があれば商品検索の場。cpc は USD セント。
季節性まで取るなら volume_monthly_history を select に足し、volume_monthly_date_from/to で直近12か月を指定する。
difficulty が 0 で volume が数千あるときは「未算出」の可能性が高い。0 を「競争が無い」と読まず、レポートに「難易度は未算出の可能性」と書く。
上位ページの顔ぶれ(商品ページか記事か)を見たいときだけ serp-overview を 1語・type="organic"・top_positions=10 で呼ぶ。type を付けないと SERP 機能まで行に数えられ、1語で数百ユニット消費する。
1-b. 季節性と伸び(Google Trends)
compare_keywords(keywords=[最大5語], timeframe="today 12-m", geo="JP") を1回。返る系列(12か月は週次)からピーク月と直近3か月の向き(上向き/横ばい/下向き)を読む。get_keyword_interest は同じ系列を返すので、compare_keywords で足りるときは呼ばない。相対値(最大100)なので絶対量は Ahrefs と組み合わせて読む。
1-c. 上位商品の価格帯(Keepa)
カテゴリ語で keepa_search(term) を1回(Amazon の検索順で最大20件。評価・レビュー数はここでは null のことがある)→ 先頭5件の ASIN を keepa_product(asin="A,B,C,D,E") で1回(評価・レビュー数・価格・売れ筋ランキングはこちらで取る。現在値が返る)。
表にする:価格の最小・中央・最大、評価の平均、レビュー数の合計、売れ筋ランキングの最良値。入数が違う商品が混ざるので、タイトルの「×N個」「N本入」から1個あたりの価格に換算して並べる(換算できないものは「入数不明」と書く)。価格帯は「中央値±」で書き、上位商品名は伏せてよい(競合名は書かなくても判断できる)。
Step 2. 理由を読む(TrendViewer)
カテゴリごとに list_analyses(state="complete") で既存の分析を探す。無ければ submit_analysis(category={name, detail}、search_queries=[{keyword, mall}] でカテゴリ語を楽天と Amazon の両方、mode="manual")で作り、約2時間待つ(ユーザーに伝えていったん止める。枠が無いエラーは何を消すかユーザーの判断)。
get_analysis_data(wldh_slug, include_per_sku=true, include_sub_viewpoints=false) で観点表を取る。返りは大きく、クライアントがファイルに退避することがある。そのときは jq で .viewpoints, .total_mentions, [.per_sku[] | {title, price, rating, review_count, from_search, description}] だけ抜いて読む。
既存の分析がカテゴリ専用でない(複数カテゴリの混在、search_queries 無しで from_search が全て false 等)ときは、観点表は全体の値で読み、価格・評価は title にカテゴリ語を含む SKU だけで見て、その旨を注意欄に書く。
| 抜き出すもの | 条件(既定) |
|---|---|
| 不満が集中している観点 | negative_rate が高い順に上位3つ。mention_count >= 30 |
| 強みの観点(既存商品が既に満たしている) | positive_rate >= 0.80 かつ mention_count >= 100、上位3つ |
| 言及数合計 | total_mentions(レビューの厚み。1,000未満は判断材料として薄いと書く) |
get_review_insights(dimension="motivation", group_by="viewpoint", min_count=30) も取り、動機率が基準(baseline_pm_rate)の1.2倍以上の観点を「買う理由」として併記する。ただし観点名そのものが動機を表すもの(「購入のきっかけ・動機」「リピート意向」など)は除いて、具体的な性能・価格・使い勝手の観点だけを挙げる。該当が無ければ「買う理由の観点:該当なし」と書く。
Step 3. 行動に落とす
3-a. 比較表(1枚)
候補カテゴリを行、列は:言及数合計/不満が最も集中する観点(否定率)/強みの観点(肯定率)/月間検索数/難易度/12か月の相対人気(ピーク月)/Amazon 上位の価格帯(中央値)/評価平均。
3-b. 空いている訴求ポジション(3つ)
「不満が集中している観点」のうち、上位商品の説明文(per_sku[].description)や強みの観点で 既に解決を名乗っていないもの を選ぶ。1つにつき:
- 観点名と否定率・言及数
- なぜ空いているか(上位商品が触れていない/触れているが否定率が下がっていない)
- 名乗り方の方向(仕様・保証・価格のどれで担保するか)。自社の強みが分かっていればそれに寄せる
3-c. 判断メモ
カテゴリごとに「需要 × 競争 × 不満の集中度」で1〜2行。参入順の案を1本。
- 需要が大きく難易度も高い → 検索では戦いにくい。明確な差別化(不満観点の解決)が要る
- 需要は中程度で難易度が低く不満が1点に集中 → 最有力
- 需要が小さいがレビュー言及が多い → 既存商品の改善余地が具体的(改善型)
- 季節性が強い → 在庫と広告の時期を書く
出力フォーマット
# カテゴリ下調べレポート({日付})
候補:{A} / {B} / {C} / {D} 国:日本
## 1. 比較表
(3-a の表)
## 2. カテゴリ別の詳細
各カテゴリ:需要(Ahrefs)/季節性(Trends)/価格帯(Keepa:最小・中央・最大、評価、レビュー数)/レビュー観点(不満上位3・強み上位3・買う理由)
## 3. 空いている訴求ポジション(3つ)
## 4. 判断メモと参入順
## 5. 注意
データ日付・未接続のツール・消費したユニット/トークン・言及数が薄いカテゴリ・分析を新規作成した場合は完了予定
やらないこと
- レビュー原文を載せない(集計値のみ)
- 上位商品のブランド名・商品名を必要以上に書かない(価格帯と評価で足りる)
- Ahrefs / Keepa をカテゴリあたり上限を超えて呼ばない(費用が読めなくなる)
- 需要ゼロを1語の結果で決めない(言い換え語を1つ足してから)
参照
references/tools.md— Ahrefs・Trends・Keepa・TrendViewer の正確な呼び方と消費量examples/— HALDATA での実行例