Research Study Guide 生成スキル
概要
研究プロジェクトの成果物を読み込み、その分野の基礎知識がない学生が
「この研究を理解し、自分も貢献できるようになる」ための学習用ドキュメント群を
study_guide/ フォルダに生成する。
このスキルが作るのは 一方向の階段ではなく、どちらからでも辿れる知識構造である。 読者は「前提 → 成果」と積み上げても、「動く成果 → その理論的根拠」と遡ってもよい。 その双方向の traversal を可能にするのが横断モジュール knowledge_map(理論への戻り先索引) である。
概念モデル(不変構造)
研究の成熟度に関わらず、study_guide は次の 4段 + 横断モジュール で構成される。 段の「器」は常に同じで、変わるのは ③ 核の中身だけ。段階ごとに別テンプレートへ分岐しない。
① 前提知識 領域非依存の基礎(この分野の言葉を獲得する)
② 土台 依拠する先行研究・理論(この研究が何の上に立つか)
③ 核となる成果物 ★stage で中身が変わる ── 下表参照
④ フロンティアへの橋 ここから先の研究(次に何をするか)
[横断] knowledge_map つまずき逆引き+理論への戻り先索引(①〜④のどこからでも参照)
③ の中身は研究ステージで決まる
| ステージ | ③ 核の中身 | ④ の中身 | 学習の主方向 |
|---|---|---|---|
| 成熟段階(結果が揃っている) | 実験結果・完成手法・アーキテクチャ | 今後の改善・査読対応・追加実験 | 前提 → 結果(積み上げ) |
| PoC/探索段階(再現・原理実装フェーズ) | 動く装置・再現結果・原理の実装解説 | 本研究のロードマップ(まだ始まっていない本体) | 実装 → 理論(遡り) |
どちらのステージでも器(①②③④)は同一。最初に「この研究は今どのステージか」を 判定し、③④ の中身をそれに合わせる。
入力として読むべきファイル
着手前に、揃っているものをすべて読む(ステージにより揃う種類が変わる):
- 論文草稿(
draft_paper.md等)── 成熟段階で中心 - 実験レポート(
report_*.md等) - 査読・調査レポート(
research_report.md等) - 仕様・理論メモ(
spec.md,theory*.md等)── PoC段階で中心 - PoC / 実装コード(
demo.py,src/等)── PoC段階で中心 - プロジェクト説明(
CLAUDE.md)
生成するフォルダ構成
study_guide/
├── README.md ← 全体ナビ・用語表・★この研究のステージ宣言
├── 01_background/ ← ① 前提知識(領域非依存の基礎。ここから読む)
├── 02_foundations/ ← ② 土台=先行研究・依拠する理論
├── 03_core/ ← ③ 核となる成果物(中身は stage で変わる)
├── 04_into_research/ ← ④ フロンティアへの橋
└── 0N_knowledge_map/ ← [横断]つまずき逆引き+理論への戻り先索引
ステージ別の ③④ の具体例
成熟段階の例(VLM 研究など)
03_core/ ← 03_this_research に相当
│ ├── 01_motivation.md ← 研究動機・問題設定・意義
│ ├── 02_architecture.md ← モデルアーキテクチャ詳細
│ ├── 03_data_pipeline.md ← データ処理パイプライン
│ ├── 04_loss_functions.md ← 損失関数の設計と役割
│ └── 05_results.md ← 実験結果の読み方・考察ガイド
04_into_research/ ← 04_future_plan に相当
│ ├── 01_research_issues.md ← 査読で指摘される点(🔴🟠🟡)
│ └── 02_experiment_plan.md ← 投稿に向けた実験計画・タスク分解
PoC/探索段階の例(s-code: LLM 圧縮の再現フェーズ)
03_core/ ← 「動く装置・再現・原理」が核
│ ├── 01_intuition.md ← 直感的理解(概念編 step1)
│ ├── 02_algorithm.md ... ← 実装の逐行解説(区間更新・正規化・復号など step2)
│ └── 03_reproduction.md ← 再現実験の結果と読み方(bpb・roundtrip)
04_into_research/ ← まだ始まっていない本研究への橋
│ ├── 01_run_it.md ← 自分の手で動かす
│ ├── 02_to_real_problem.md ← 本題(帳票JSON圧縮など)への橋渡し
│ └── 03_roadmap.md ← フェーズ計画と次タスク
③ のサブファイル名・粒度はプロジェクトに合わせて自由に決めてよい。 固定なのは「①前提 → ②土台 → ③核 → ④橋 + 横断knowledge_map」という器だけ。
各部の執筆方針
README.md
- 冒頭でステージを宣言する(成熟段階 / PoC段階)。読者に学習の主方向を伝える
- 全体の学習ロードマップ(積み上げ図で示す。双方向の入り口があれば両方示す)
- ファイル一覧と所要時間目安
- この研究を一言で言うと(最重要:学生が最初に読む)
- よく出る用語のクイックリファレンス表
01_background/(① 前提知識)
- 対象: その分野をほぼ知らない学生(情報系学部生程度)
- 数式は最小限、直感的な説明を優先
- コードブロックで疑似コードを補助的に使う
- 各ファイル末尾に「次に読むファイル:」のナビを入れる
02_foundations/(② 土台=先行研究)
- 論文のタイトル・著者・採択先を冒頭に記載
- 「この論文が解決した問題」→「アプローチ」→「この研究との関係」の順で説明
- 数式より図や例で直感的に。コードスニペットで使い方も示す
03_core/(③ 核となる成果物)── ステージで中身を変える
- 成熟段階:motivation / architecture / data_pipeline / loss / results
resultsは数字の読み方・論文での説明の仕方・ベースライン比較の必要性を明示
- PoC/探索段階:直感 → 実装の逐行解説 → 再現結果
- 実装は実際に動くコードから引用する
- 理論(連続)と実装(離散)を対応づける(後述の品質基準を厳守)
04_into_research/(④ フロンティアへの橋)
- 成熟段階:
research_issues(査読指摘を🔴🟠🟡で)+experiment_plan(投稿先・優先度・タスク表) - PoC/探索段階:動かし方 + 本題への橋渡し + ロードマップ(本研究はここから始まる)
0N_knowledge_map/(横断:理論への戻り先索引)
このモジュールが「双方向に辿れる知識構造」を成立させる。常設する。
- つまずき逆引きマップ:実装の各章でつまずいたとき「どこに戻ればよいか」(教科書・前提章への対応表)
- 理論の使われ方マップ:定理・概念が研究のどの主張を支えているか
- 体系的位置づけ:この研究が分野史のどこに立つか(任意)
品質基準
- 各ファイルは単独で完結する(前のファイルを読んでいなくても理解できる)
- 「次に読むファイル:」ナビを各ファイル末尾に入れる
- コードは実際に動くもの(PoC コード・実装から引用する)
- 数字は論文・レポートから正確に引用する(推定値・概算は明記)
- 弱点も正直に書く(「この手法の限界は〜」を学生が論文で使えるよう)
- 連続⇔離散の両輪:数学的理論(連続)とコード実装(離散)を双方向に対応づける。 「理論ではこう/実装ではこう/両者のズレの正体はこれ」を対応表で示す。 (例:理論は区間内の任意の実数で符号化できるが、実装は有限精度の最短ビット列を送る)
- 方向自由:読者が「前提→成果」でも「成果→理論」でも辿れるよう、 knowledge_map から逆向きの導線を必ず張る。
投稿先・ロードマップの扱い
- 成熟段階:research_report.md 等で言及された投稿先候補を
04_into_research/に反映し、 採択に必要な実験・改善点を逆算してタスクに落とす。 - PoC段階:spec / theory メモから「本研究の最終目標」を抽出し、 PoC で確認できたこと/これから検証することを分けてロードマップ化する。
作業の進め方
- 揃っている入力ファイルをすべて読む
- この研究のステージを判定する(成熟段階 / PoC・探索段階)── ③④ の中身がこれで決まる
study_guide/とサブフォルダを作成する- README.md から書き始める(ステージ宣言+全体ナビが先にあると他ファイルの方針が固まる)
- ① 前提 → ② 土台 → ③ 核 → ④ 橋 の順に作成し、最後に横断 knowledge_map を張る
- 連続⇔離散の対応表を ③ の実装解説と knowledge_map に組み込む
- 全ファイル完成後、PDF 変換が必要であれば PDF スキル(
lualatex-pdf等)を使う- 概念編/実装編で combined.md を分けると PDF 管理がしやすい